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キャピタル世界株式ファンドはやめとけ?リスクとデメリットを徹底解説

キャピタル世界株式ファンドは、世界各国の株式に投資する投資信託です。

運用会社の信頼性が高く、分散投資ができるメリットがある一方で、手数料が高めでパフォーマンスがインデックスファンドと大差ないなどのデメリットもあります。

本記事では、キャピタル世界株式ファンドのリスクとデメリットを中心に、投資判断に役立つ情報を詳しく解説します。

目次

キャピタル世界株式ファンドとは?

運用会社と基本情報

キャピタル世界株式ファンドは、「キャピタル・インターナショナル株式会社」が運用する投資信託です。

キャピタル・インターナショナル株式会社は、米国に本社を置く世界有数の独立系運用会社であるキャピタル・グループの日本法人です。

1986年に日本での営業を開始し、長年にわたり日本の投資家に資産運用サービスを提供しています。

キャピタル世界株式ファンドの基本情報は以下の通りです。

設定日:2007年10月29日

純資産総額:約6,700億円(2023年2月末時点)

信託報酬:年率1.701%(税込)

投資対象:日本を含む世界各国の株式

決算頻度:年1回(原則として11月20日)

為替ヘッジ:なし

信託報酬は投資信託の運用・管理にかかる費用で、純資産総額に対して税込の年率1.701が毎日計算されて控除されます。

キャピタル世界株式ファンドのリスクとデメリット

比較的高い手数料

先述の通り、キャピタル世界株式ファンドの信託報酬は年率1.701%(税込)と、投資信託の中では比較的高めに設定されています。

アクティブファンドとインデックスファンドの信託報酬比較

アクティブファンドであるキャピタル世界株式ファンドとインデックスファンドの代表的な商品の信託報酬を比較すると、以下のようになります。

  • キャピタル世界株式ファンド:1.701%
  • eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー):0.088%
  • 楽天・全世界株式インデックスファンド:0.1144%
  • たわらノーロード全世界株式:0.1056%

インデックスファンドの信託報酬が年率0.1%前後であるのに対し、キャピタル世界株式ファンドは1.701%と10倍以上の開きがあります。

高い信託報酬は、長期の運用においてリターンの大きな足かせになります。

インデックスファンドとの運用成績の差が小さい

キャピタル世界株式ファンドの高い手数料を正当化するほどのパフォーマンスが出ているかと言えば、疑問が残ります。

モーニングスターの2023年2月末のデータでは、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の3年騰落率は年率で+14.89%、楽天・全世界株式インデックスファンドは年率+14.95%となっています。

キャピタル世界株式ファンドの同期間の3年騰落率が年率+13.76%であることを考えると、インデックスファンドの運用成績を上回ったとは言えません。

アクティブファンドの高い手数料を支払ってまで投資する意味があるのか、疑問が残ります。

テクノロジー銘柄のボラティリティの高さ

キャピタル世界株式ファンドの組入上位には、アップルやマイクロソフト、アマゾンといった米国のハイテク企業が並んでいます。

ハイテク企業は将来の成長性が期待される一方で、景気や市場の変動に敏感で、株価のボラティリティ(値動きの大きさ)が高いことで知られています。

2022年は高インフレや金融引き締めの影響でハイテク株が大きく調整し、キャピタル世界株式ファンドの基準価額も大きく下落しました。

ファンドの組入銘柄の特性を理解し、株価変動リスクを許容できるかどうかは投資判断の重要なポイントと言えるでしょう。

キャピタル世界株式ファンドの評判と口コミ

良い評判と口コミ

「キャピタルグループの実績ある運用力が魅力」

「世界中の株式に幅広く投資できる」

「つみたてNISAでも買えるのが良い」

「長期で積み立てると複利効果で資産が増える」

悪い評判と口コミ

「手数料が高すぎる」

「インデックスファンドのほうがコストパフォーマンスが良い」

「為替リスクがある」

「ハイテク株中心で株価変動が大きい」

キャピタル世界株式ファンドの手数料と費用

キャピタル世界株式ファンドの手数料と費用は以下の通りです。

  • 購入時手数料:3.3%(税込)を上限
  • 信託報酬:年率1.701%(税込)
  • 信託財産留保額:換金申込日の翌営業日の基準価額に0.3%の率を乗じて得た額
  • その他の費用:監査費用、有価証券売買時の売買委託手数料など

購入時手数料は販売会社によって異なります。

信託報酬は純資産総額から日々差し引かれます。

信託財産留保額は換金(解約)時に差し引かれ、ファンドに留保されます。

キャピタル世界株式ファンドの運用方針と投資先

キャピタル世界株式ファンドの主な投資先は、日本を含む世界各国の株式です。

投資先ファンドは、マザーファンド(キャピタル・グループ・ニューパースペクティブ・ファンド(LUX)(クラスC))を通じて世界の株式に投資します。

キャピタルグループの運用力と調査力を活かし、企業の将来性やグローバルな成長の恩恵を受けられる銘柄に選別投資を行います。

具体的な運用方針は以下の通りです。

  • 強固な製品ラインナップや市場シェアを有する企業
  • 高い成長余力を持ち、革新的な技術を有する企業
  • 世界経済の構造変化の恩恵を受ける企業
  • アンダーバリューの優良銘柄

上記のような企業の発掘と投資を通じて、長期的な運用成果を追求します。

キャピタル世界株式ファンドに投資すべきかどうかの判断材料

メリットとデメリットの整理

キャピタル世界株式ファンド投資のメリットとデメリットを整理すると以下のようになります。

メリット:

  • キャピタルグループの調査力と運用力
  • 世界中の株式に幅広く分散投資できる
  • つみたてNISAの対象ファンド
  • 長期の積立投資に適している

デメリット:

  • 高い手数料(信託報酬、購入時手数料)
  • インデックスファンドを上回るパフォーマンスが出ていない
  • 為替リスク
  • 保有銘柄の株価変動リスク

投資目的に合致するか

キャピタル世界株式ファンドへの投資を検討する際は、自身の投資目的に合致しているかを確認しましょう。

キャピタル世界株式ファンドに向いている投資目的は以下のような場合です。

  • 長期的な資産形成を目指している
  • 海外株式に分散投資したい
  • 購入時手数料をある程度許容できる
  • 為替リスクを許容できる

逆に、以下のような投資目的の場合は不向きと言えるでしょう。

  • 短期的な値上がり益を狙っている
  • 低コストの資産運用がしたい
  • 為替リスクを極力抑えたい

リスク許容度と投資期間

キャピタル世界株式ファンドへの投資を検討する際は、リスク許容度と投資期間も重要な判断材料となります。

世界株式への投資は、国内株式と比べると為替リスクなどから基準価額の変動が大きくなる傾向にあります。

キャピタル世界株式ファンドに投資する場合は、基準価額の変動を許容できるだけの覚悟が必要です。

また、投資期間は長期が望ましいでしょう。

株式投資の魅力を発揮するには5年以上、できれば10年以上の長期投資が理想的とされています。

キャピタル世界株式ファンドも、⻑期の積⽴投資に適しているファンドの⼀つと⾔えます。

キャピタル世界株式ファンドから撤退するタイミングと⽅法

撤退のサインと判断基準

投資を始めた後も、ファンドの状況を定期的にチェックし、必要に応じて撤退を検討することが⼤切です。

キャピタル世界株式ファンドから撤退を検討すべきサインや判断基準は以下のようなケースが考えられます。

  • ⻑期的に運⽤成績がベンチマークを下回り続けている
  • 運⽤⽅針や投資先に⼤きな変更があった
  • 運⽤担当者の交代など運⽤体制に変化があった
  • 手数料の⼤幅な引き上げなどコストが増⼤した
  • ファンドの純資産総額が著しく減少した

一方で、株式市場の⼀時的な下落をきっかけに撤退を検討するのは賢明ではありません。

株式投資では⻑期的な視点を持つことが⼤切で、短期的な値動きに一喜一憂することは避けましょう。

換⾦⽅法と⼿続き

キャピタル世界株式ファンドを換⾦する際の⼿続きは以下の通りです。

  • 販売会社に換⾦を申し込む
  • 換⾦申込受付⽇の翌営業⽇の基準価額で計算された⾦額から、信託財産留保額(換⾦申込日の翌営業⽇の基準価額の0.3%)と税⾦が差し引かれる
  • 換⾦代⾦は、原則として換⾦申込受付⽇から起算して5営業⽇目から⽀払われる
  • 換⾦の際は、信託財産留保額や税⾦によって⼿取り額が減ることに注意が必要です。

特に、購⼊後短期間で換⾦する場合は、信託財産留保額の影響が⼤きくなります。

税⾦と確定申告

キャピタル世界株式ファンドの換⾦益や分配⾦には、約20%の税⾦(所得税および地⽅税)がかかります。

税⾦は原則として確定申告が必要ですが、特定口座(源泉徴収あり)で購⼊した場合は不要です。

一方、NISAやつみたてNISAで購⼊した場合は、一定の要件を満たせば非課税となります。

税制は毎年変更される可能性があるため、最新の情報を確認することをおすすめします。

キャピタル世界株式ファンドの代替となる投資先

低コストのインデックスファンド

キャピタル世界株式ファンドの代替として、まず挙げられるのが低コストのインデックスファンドです。

手数料の安さではキャピタル世界株式ファンドを大きく上回り、運用成績でも遜色ありません。

代表的な商品としては、以下のようなファンドが挙げられます。

  • eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
  • 楽天・全世界株式インデックスファンド
  • たわらノーロード全世界株式

これらのファンドは、信託報酬が年率0.1%前後と低水準であるため、⻑期の積⽴投資に適しています。

バランスの取れた世界株式ファンド

キャピタル世界株式ファンドの代替として、より分散が効いたバランスの取れた世界株式ファンドも検討に値します。

特定の国や銘柄に集中せず、幅広い地域や業種に投資することでリスクの分散を図れます。

おすすめのファンドとしては、以下のような商品が挙げられます。

  • グローバル株式インカム(限定追加型)
  • 野村つみたて外国株投信
  • ニッセイ・インデックスパッケージ(内外株式)

これらのファンドは、グローバルに分散投資を行うことで、キャピタル世界株式ファンド以上に安定したパフォーマンスが期待できます。

分散投資による代替戦略

世界株式ファンドへの投資を検討する際は、一つのファンドに集中するのではなく、分散投資も視野に入れましょう。

たとえば、世界株式とは別に、国内株式やREIT、債券などにも投資することで、ポートフォリオ全体のリスク分散を図ることができます。

以下のような組み合わせが考えられます。

  • 世界株式ファンド+日本株式ファンド
  • 世界株式ファンド+REIT+債券ファンド
  • 世界株式ファンド+バランスファンド

資産配分は、自身の年齢やリスク許容度に応じて決める必要がありますが、分散投資は中⻑期的に安定したリターンを得るための有効な⼿段といえるでしょう。

専⾨家の意⾒と分析

ファンドマネージャーの⾒解

キャピタルグループのファンドマネージャーは、キャピタル世界株式ファンドについて以下のように述べています。

「当ファンドは、グローバルな視点で企業の成長性や競争⼒に着目し、⻑期的な投資リターンの獲得を目指しています。

短期的な市場変動に左右されることなく、独自の調査に基づいて割安な銘柄を選別し、集中投資を⾏うことで付加価値を⽣み出していきます。」

「当ファンドの強みは、キャピタルグループの深い調査能力と豊富な投資経験です。

世界中に拠点を持つアナリストが現地に足を運び、企業の実態を詳細に分析しています。

こうした地道な調査活動から、⻑期的な成⻑を遂げる企業を⾒つけ出すことができるのです。」

投資アドバイザーの助⾔

投資アドバイザーからは、キャピタル世界株式ファンド投資について以下のような助⾔が聞かれます。

「キャピタル世界株式ファンドは、世界の株式市場に幅広く分散投資できる良質なファンドですが、手数料の高さが気になるところです。

投資コストは⻑期的なパフォーマンスに大きな影響を与えるため、よく検討する必要があります。」

「インデックスファンドの台頭により、アクティブファンドの存在意義が問われています。

キャピタル世界株式ファンドには、⻑年の実績があり優秀な運用チームがいますが、今後もインデックスを上回り続けられるかは予断を許しません。」

「投資する際は、キャピタル世界株式ファンド一本に絞るのではなく、他のファンドとの組み合わせを検討することをおすすめします。

低コストのインデックスファンドをコアにして、キャピタル世界株式ファンドを付加的に組み入れるのは一つの方法です。」

アナリストの評価と将来予測

アナリストからは、キャピタル世界株式ファンドについて以下のような評価と将来予測が示されています。

「キャピタル世界株式ファンドは、優秀な運用チームによる⻑期的な視点での銘柄選択が特徴です。

ただし、ファンドの規模が大きくなりすぎると、小回りの利かない運用になる懸念もあります。」

「世界的な低金利環境の中で、世界株式市場は割高な水準にあると言えます。

今後、金利上昇や景気減速などが起これば、株価の調整局面を迎える可能性があります。

キャピタル世界株式ファンドも、こうしたリスクには留意が必要でしょう。」

「新興国市場の成⻑性には注目が集まっていますが、キャピタル世界株式ファンドの投資先は先進国中心です。

今後は、新興国への投資比率を高めていくことで、さらなる成⻑を目指してほしいところです。」

まとめ:キャピタル世界株式ファンドへの投資は慎重に検討すべし

本記事では、キャピタル世界株式ファンドの特徴やリスク、評判などを詳しく解説してきました。

キャピタル世界株式ファンドは、世界の株式市場に幅広く分散投資できる魅⼒的なファンドである一方で、手数料の高さや運用成績がネックになっています。

投資判断を下す前に、自身の投資目的やリスク許容度をよく見極め、他のファンドとの比較検討が必要不可欠です。

また、ファンドへの投資は⻑期的な視点を持つことが何より重要と言えるでしょう。

株式市場には好不調の波がつきものですが、⻑期投資を続ける中でこそ本来の魅⼒を発揮すると考えられます。

キャピタル世界株式ファンドへの投資を検討している人は、本記事の内容を踏まえつつ、資産運用の専門家などにもアドバイスを求めながら、慎重に判断することをおすすめします。

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